?(げい)は巧力(ぎょうりき)・・・

先日「寶鏡三昧」のことをちょっと書きました。紹介した文”?は巧力をもって射て

百歩に中つ」はシナの伝説的な弓術の名人の名前で?といいます。この人は
百閒先の柳の葉を射て射ち落しがないと評判だったとか。さらにその文章に続いて

「箭鋒あい値うとき巧力(ぎょうりき)なんぞ預からん」とあります。これもシナの

話です。弓術の名人で師弟の間柄であった飛衛と起昌が二人どうしで向い合いながら
弓を放ったときに、お互いの矢の鋒尖がカチリとぶつかって地面に落ちてしまった。

そんな故事です。まさかと思うような伝説ですが、要は無心の境地を体得した名人

には思いもよらぬ技量を発揮することができる。そんな意味です。技術を超えた

練磨のすばらしさを伝えた話です。