沢庵和尚の機知

ちょっとおもしろい文章があったので紹介しましょう。

古来より禅僧の機知にたけているということは多く人の知るところであるが、これは品川
の東海寺に有名なる沢庵和尚の話。

和尚は三大将軍家光公の帰依の深かったことは今さらいうまでもないが、ある日家光公
が東海寺へお出でになり、よもやまの話のついでに、和尚に問うていわく、「海に近くして
遠(東)海寺とこれいかん」と。和尚直ちに答えて、「大君でありながら小(将)軍というが

ごとし」と、やったところが、将軍は大層感じられたということである。

沢庵和尚は当時一流の文化人として有名を馳せた禅僧でした。時代劇のドラマや柳生但馬守

に剣の極意を授けた和尚としても知られます。(「禅林奇行」 菅原洞禅著からの引用)