あの石原慎太郎氏が『正論』(七月号)で思いのたけを述べています。題して「国民に告ぐ」
1ペ-ジ2段組で15枚という長文です。2月に軽い脳梗塞で入院したのは周知ですが、
内容を読んでみて、改めて氏の政治的見解が理解できました。今月もまもなく
過ぎます。来月はお盆の月ですからお寺はその準備が最優先ですけど、終戦の言葉
とともに、戦争に関する記事がまた新聞をにぎわすことだろうとおもいます。そんなこと
を漠然と考えながらユ-ンキャンの「太平洋戦争」(DVD)を見ました。以前通販で購入
していたものですが、なかなか見るだけの時間がとれなかったのでした。映像でみる
わが日本軍の惨状は昭和18年・19年そして敗戦と時間の経過とともに筆舌に尽くしがたいもの
でした。戦後世代の私には経験しなかったことですが、これらの映像記録でおおよそ
の見当がいきます。
明治も末年の生まれの父は近衛兵として従軍したものの、外地へはいきませんでした。
その父からは戦争の具体的な話はとうとう聞かされることはありませんでした。もっとも
根っからの無口でしたから。私たちの戦後世代では「戦争」という言葉はタブ-となり「平和」という言葉を
唱えてさえいれば、なんとなく平和がくる。そんなナイ-ブな感覚をいだきながら現在の
文明を謳歌していますけれど、それでは第二次大戦の凄絶な経験を嘗め尽くして国家の
独立を勝ち取った先人たちに申し訳ない。そんな気持ちで胸がいっぱいになってし
まいました。81歳の石原氏が国民に訴えたメッセ-ジを読んでみて「憂国の情」という
ものに根差した観方を教えられるとともに日本人としての立脚点を再認識する。
そんな機会になりました。