関精拙とはどんな禅匠?

精拙老師(明治10~昭和20)は大正・昭和にかけて”力量第一”と讃えられた禅者。
前日紹介した全紙幅の大幅「雲」の作者寺山旦中居士がその書画の魅力を

「禅画報」に掲載しています。(第9号1989年)一言で評するなら”温順にして
気宇闊達”であると。近代の済家の禅者では精拙老師と建長寺の武田黙雷が

有名ですね。ただし画の種類の豊富さと花鳥風月なども書かれたという点では
黙雷をはるかに上回っているようです。条幅などでは日本の小釈迦とまで

讃仰されている葛城の慈雲尊者の筆意にも学んでいるようです。

その精拙の、自粛四誡はまことに私たちの心がけるべき点をついていると
想えるので、紹介します。

 福は受け尽くすべからず。受け尽くせば禍必ず生ずる。

 勢いは使い尽くすべからず。使い尽くせば徳必ず孤なり。

 規矩は用い尽くすべからず。用い尽くせば人苦しみて繁しとす。

 好語説き尽すべからず。徳尽せば人これを侮る。

 是れ智人の明鑑仏法の至要なり。