平成時代も早いもので来春には元号が新しくなりますね。庫裡の和室は茶道や香道の稽古場に
なっています。そこに掲げたのは原坦山老師の書。
老師73才当時のものです。亡くなられる一年前なので最晩年のものです。
海水桑田欲変時 風濤翻覆天沸池 鯨呑蛟闘波成血 深澗遊魚楽不知 録白詩
海水桑田変ズル時 風濤翻覆シテ天池ヲ沸カス 鯨蛟ヲ呑ミ闘ヒテ波血トナル
深澗ノ遊魚楽シミテ知ラズ
この詩は中唐の大詩人白居易の七言絶句。今月入手した逸品です。ところどころ
判読不能の字があったので「白詩文集」を調べました。白詩文集は図書館にありましたが、
なんと13巻にもなる膨大な量の詩・文でした。夢中になって一枚ずつめくりながらでしたけど
三日間かけてやっと調べることができました。坦山老師は白居易の詩にはずいぶん親しみを
感じていたようですね。別の掛け軸にも白居易の詩を書いています。
そういえば、来年は原坦山老師の生誕二百年です。磐城平出身です。歴史的名僧と
して今日でもよく話題になる禅僧です。「中外日報」には明日つまり正月元旦に坦山老師に
ついての小生の拙文が掲載されます。機会があれば読んでください。400字原稿9枚ほど。